第6話 解決! ふきんを使え!

こんなお話でした

うららちゃんの宿題を見てあげている隆佑くん。あっ、ココアこぼしちゃった。近くにあったティッシュで拭き取って、ティッシュのゴミがいっぱい。台所では洋子ママが冷蔵庫の中をペーパータオルで拭いている。台所で手を洗い、タオルのかわりにティッシュで手を拭く隆佑くん。
冷蔵庫はちゃんと閉めたし、水も出しっぱなしにしなかったんだけど…、ムダーナ&ハカイスが現れて「はい、残念でした」「環境破壊だねー」。

「お前たちがぽいぽい捨てたこの紙」「これが素晴らしき資源のムダ使い!」とエコクラッシャーたち。おなじみエコガインダーとの対決シーンではハカイスの武器がついに炸裂! と思ったら、首領から使い方を聞いてなかったんだと。ここは次回あたり炸裂ということで。
悪者を追い払い、鈴木家に戻ったエコガインダーは「ティッシュやペーパータオルを使っちゃダメということじゃないんだよ。でも使い方を考えよう」「さっきのような場合は、ふきんを使えばいいんだ」と言い残し、どこへともなく飛び立つのであった。

このお話のポイント

手近にあったティッシュをバンバン使う、いーじゃない。資源のムダ使いと言っても、もったいないことをすれば損をするのは自分たち。ただそれだけのことでしょ?
親子でお話をするときに役立つ、パパ・ママ用のセリフです!

紙の原料

今使ったその紙、何からできていると思う?

私たちの暮らしの中で、紙は欠かせないものですね。
紙の原料はパルプと呼ばれる、木をほぐして出る繊維を集めたものです。国内や海外から輸入される木材チップからパルプが作られ、作る紙の種類に応じて古紙(リサイクルされた紙)を混ぜ合わせてさまざまな紙製品ができあがります。
しかし、ティッシュペーパーは使用後に再生できません。その分、環境のためには他の紙製品よりも古紙を利用して作りたいところですが、品質の問題などから、日本で生産されるティッシュペーパーは木材から直接得られたパルプを100%使って作られています(以前は、古紙を利用した製品もありました)。

木材を原料とする物を作ろうとすると、どうしても森林を伐採することになります。伐採しているだけでは自然破壊につながりますから、日本の製紙会社は、世界各地で植林をして森林を育てていこうとする運動を進めています。製紙会社がこれまでに植林してきた面積は、東京ドームに換算すると102,000個分ほどにもなるそうです。
また、「ケナフ」など栽培できる植物や「バガス」といった農産廃棄物を利用して、木材以外の原料からパルプを作ることも進められています。

私たちの暮らしと世界の森林

僕たちが使っている木は、世界中の森から来ているよ

もちろん、木から作られる物は紙だけではありません。家屋や家具など、木材を原料とする製品がたくさんあります。
私たちの暮らしの中でさまざまなものに使われる木、その木はどこからくるのでしょうか。

日本の最近の木材需要量は、年間8千万〜9千万立方平方メートル程度で推移しています。それらの原料となる木材の約8割が海外から輸入されています。
左のグラフをご覧ください。日本に供給される木材(丸太換算)がどこからやってくるのかを表したグラフです。(林野庁「森林林業白書 平成16年度版」をもとに作成)
世界中のさまざまな地域から、私たちの生活に使われる木材が日本にやってきていることがわかります。

私たちの暮らしと世界の森林は結びついているのです。
このことを忘れずに、紙だけでなく、貴重な資源である木材を大切に利用していきたいものですが、実は今、世界的な森林の減少が深刻な問題になっているのです。

世界の森林が減少している

世界中の森が、どんどん減っているんだ

世界の森林面積は約39億ヘクタール、地球の陸地全体の約30%の面積を占めています。しかし、1990年から2000年の森林面積の変化を見ると、熱帯地域以外では若干増加しているものの、熱帯地域では急激に森林が減少しています。
熱帯の天然林は、毎年1,420ヘクタールずつ減少しているとされています。これは日本の本州の3分の2の面積にあたります。(FAO「Global Forest Resources Assessment 2000」より)
私たちが使う紙の原料となる木材チップもこの熱帯地方から輸入されています。

非常に深刻な環境問題の一つ、森林の減少にはさまざまな原因があります。

燃料用木材の過剰な採取
多くの開発途上国では薪や木材を燃料としています。世界で使われている木材の約半分が燃料用です。

大規模な農地・プランテーションの開発
森林を伐採し、アブラヤシなどの農地・プランテーションに変える開発が大規模に行われています。

不適切な焼畑農業の増加
森林を焼き払い、灰を肥料にする焼畑農業。昔は森林が回復してから再び行っていましたが、近年、人工の増加に伴って、森林が回復しないうちに焼き払われるようになっています。

森林火災
焼畑農業や農地開発のための火入れを発端とする大きな森林火災が起きています。1997年から98年にかけてインドネシアのカリマンタン島とスマトラ島で起きた森林火災では、日本の中国地方と四国を合わせた面積に相当する約500万ヘクタールの森が灰になりました。

違法伐採
各国・地域の法律や規則に違反した森林伐採が行われています。

私たち人間は、森林になんと手ひどい仕打ちをしていることでしょうか!

なぜ森林を守らなければいけないの?

森は、地球上の生き物すべての財産なんだ

森林が減少すると、どんな問題が起こるのでしょう。
それを知るために、私たちの暮らしなどに森林が果たしている役割をまとめてみましょう。

水源を育てる
植物は、水分を吸収してゆっくりと流し出す役割をします。森林も同じで、降ってきた雨を吸収して少しずつ流し出します。人々が暮らしているところに水があふれ出るのを防ぎ、森林から出される栄養を含んだ水は、自然や水産資源を育んでくれます。

土砂崩れを防ぐ
山の斜面にある森林は、木の根を土壌に張り巡らし、土が崩れるのを防いでいます。また、落ち葉などで覆われた地面が土の流出なども防いでいます。

野生動物の暮らしの場
森林は、さまざまな野生動物の暮らしの場になっています。例えば、動物たちが植物の実を食べ、動物のフンが植物を育てるというように、森林は、生き物とそれを取りまく環境が複雑に関係しあう一つの世界「生態系」になっています。

人間の暮らしを豊かに
森林から生み出される木材は私たちの生活に欠かせません。また、木の実や山菜などの山の幸も森林から採れるものです。森林はその地域の人々の文化をも育んでいます。

地球環境を守ってくれている
森林の周りは気温変化を和らげてくれます。
そして、地球環境にとって非常に大きな働きが、二酸化炭素を吸収して酸素を供給してくれることなのです。
森林が減少すれば、地球温暖化はより深刻になってしまうでしょう。

森林が果たしてくれている役割がいかに大きなものか、おわかりいただけたでしょうか?

森林は、地球上すべての生き物にとって、かけがえのない財産。
そして、私たちの暮らしと世界の森林は結びついている。
これを忘れずにいてください。お子さんにもお話してあげてください。

ティッシュ1枚、メモ1枚、さっと使って捨てちゃうのはカンタンですが、その源である貴重な資源「木材」や、それを生み出す森林についても、時々は思いを馳せていただきたいのです。